泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「は、はぁっ!? 馬っ鹿じゃねぇの!
べ、別に俺だってちゃんと笑うし……」
説得力の欠片もない照れた声を、あづは
返した。
ハハ、顔真っ赤。
「……潤は俺を気にしすぎなんだよ」
俺達から顔を背けて、あづは言う。
「そりゃあ気にするだろ。なんせ俺達はもう、長い付き合いなんだから」
「それはそうだけどよ……」
頬を赤くしながら、あづは言う。
「あづ、もう眠くないのか? それなら、下行こうぜ?」
笑いながら、首を傾げて潤は言う。
「……いく」
小さな声で、あづは頷いた。