泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。


「奈々……」


「ゴホッ!!」

 わざとらしく思えてしまうほどに、咳が煩く響いた。




「ちょっ、奈々、
大丈夫?」



恵美は顔に心配しているような形相を浮かべて、俺の様子を伺う。




 いや、全くもって大丈夫じゃない。




自分の身体もだけど、恵美や純恋にあづのことがバレてしまったこの状況も。





もはや笑えるほど、大丈夫じゃない。




「……ダメなんだよ。このままじゃダメなんだ。このままじゃ、あづは壊れちまう」

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