泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
龍弥の言葉を聞くと、恵美は
すかさず、
思い出したように大声で叫んだ。
忘れてたか。
正確には、俺が忘れさせてしまったような気が
するんだけどな。
まぁでも、
これは言わないでおいた方がいいな。
「そんなことだろうと思ったんで、もう始まってるっすよ? 恵美さんが呼びに行ってから、もう15分は経ってますしね」
龍弥はしょうがないっすねー
とでも言いたげな雰囲気で言った。
「ウッソー!!
おっけーすぐ行く!!
あ、でも……奈々がいつも通りになったら、ね?」
恵美は俺の顔を見て、笑って言った。
そう言われて、思わず俺はハッとした。
もしかすると、まだ頬や目が紅いのかもしれない。
そんなんなら、俺はまたもや自分に呆れてしまう。
やっぱり弱いな、俺って……。