泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「へ?
いつも通りってなんすか。何も変わってないように見えますけど……」
龍弥は恵美の発言を確かめるように、
俺を軽く凝視した。
あぁ、やっぱりか。
多分俺の頬や目がまだ微かに紅くなってるのには、ここでは恵美しか気づいていない。
恵美の他に、長い時間を共にしてきた親友のあづと潤。
俺の紅みは恐らく、つきあいが多いそいつら3人しかわからないような……儚くて、微かなもの。
やっとのことで少しだけ感情表現が豊かになっても、このザマだ。
しっかしまぁ、龍弥にからかわれずに済むのは良いと思うけど。