泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「テメェは知らなくていい。
ただ、いつか……分からせてやるよ」
俺は口角を上げ、ニヤついた笑みで言った。
これからはこいつとも、少なくとも虹欄ににいる時は、よく一緒になる筈だから。
だからきっと、俺が言わなくたって、そのうち微かな違いが分かるようになる。
「…………なんすかそれ。
今教えて下さいよー」
龍弥は拍子抜けしたような声を出して、愚痴をこぼした。
「今はまだダーメ。さっ、早く出た出た!
10分以内に追っかけるから!!」
恵美は龍弥の近くに歩み寄ると、唇の前で人差し指を立てて、内緒というような仕草をした。
続けて恵美は龍弥の身体を押し、龍弥を半ば強制的に第一幹部室から追い出した。