泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「ね、奈々。好きだよ?」
「ん。俺も…………好き」
そう言って誰よりも綺麗に笑う君を見て、
“好きでごめん”と。
本当につい、そう言いそうになった。
赤髪をぐしゃっと片手で掴んだ。何言おうとしてんの、俺。
しっかりしろよ……。
体も心も、未だに熱を帯びてて。
でもそれと同じかあるいはそれ以上の割合で、この先のことが只只心配で。
本当に全く、情けないったらありゃしない。