泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「……うっせーよ。そんなん、知らねぇよ。ただ、俺はお前にはありのままの姿を見せても、ひかれねぇと思ってんのかもしんねぇ」
姉が死んで間もない時、自分が潤やあづの前で禄に笑えなかったのをよく覚えてる。
それどころか、俺はいつもあいつらの前でキレてばかりだった。
……今思えば、本当に最低だと思う。あいつらは、死にたいと思っていた俺を、必死で生かそうとしてくれていたのに。
「……嫌なんだよ。
虹欄の奴らには、
あんな顔はして欲しくない」
もう嫌なんだ。
俺のそんな姿を見て、
誰かが可哀そうな視線を向けてくるのは。
まるで同情そのもののような
あの視線を向けてくるのは。
だから作り笑いとか、そういう演技ばっかしてる。
そうでもしないと、また沢山の心配をかけてしまうから……。
あの大嫌いな視線を、また向けられるようになってしまうから。