泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
——ガチャ。
「「「奈々絵!
虹欄へ、ようこそ!!!!」」」
ドアを開けた途端、頭にクラッカーが降ってきた。
部屋は沢山の風船で彩られ、
どこか満開の花びらのように
綺麗に輝いているようにも見えた。
「な、何してんだよお前ら」
咄嗟に出た声はあまりにも小さくて、
その上すっごく震えてて、
俺は自分が柄にもなく、
感動してることに気づいた。
「ククっ、びっくりしたか?」
目の前にいたあづはニヤついた笑みを
浮かべて、俺の頭上にあった
くす玉の紐を引っ張った。
すると出てきたのは、ご丁寧な筆記体で
【奈々絵、幹部就任おめでとう!】
と書かれた長ったらしい紙と、
数え切れないほどの紙吹雪とリボンだった。