泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
サプライズという名の元に。
もはや、意味がわからなかった。
「びっくりしたどころじゃねぇよ!
こんなん、どうかしてんじゃねぇの? 俺なんか祝っても、禄な反応できねぇぞ?」
だから俺には、思うがまま喚く
ことしか出来なかった。
「バーカ、
それに関しちゃ、誰も期待してねぇよ」
あづが笑った。
ここにいる誰よりも綺麗な顔で。
「んじゃまぁ、改めて。
——奈々絵、虹欄の副総長になってくれないか?」
——は?
何言ってんだよ、あづ。
「副総長は潤だろ?」
そもそも副総長なんて、俺が立てる位置じゃねぇんだよ。
「そ。だから、二人目! 俺らは奈々絵に、3人目の幹部になって欲しいんだよ!」
そういい、あづは隣にいた潤と肩を組んで、屈託もなく俺に笑いかけた。
「無理に決まってんだろ。
だって俺、喧嘩お前らの中で一番……」
顔を俯かせて言う。
最後の言葉は、何故か声にならなかった。
俺、わかりきってた癖に、本当は認めるの
嫌で嫌で仕方がなかったのかもしんねー。
「――弱くていい。
奈々だから、なって欲しいんだ。
なんなら、総長にしたっていい。
みんなだって、それを望んでる」