泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。



「奈々!」




 あづの隣にいた潤が後ろから俺の赤髪をワシャワシャと犬でも撫でるみたいに撫でて、笑った。





「……奈々さん」



あづの後ろにいたらしい純恋が、そっと
俺の隣へ歩み寄った。





「愛してるよ、奈々絵」





 恵美は兄の潤の後ろからひょっこりと顔を出すと、俺の隣に歩み寄って、笑った。






「「「副総長っ!!!」」」





 最後に聞こえたのは、桜桃や龍弥を含む、
虹欄の奴らの息ピッタリな俺を呼ぶ声だった。






「…………テメェら、俺を泣かせた責任、
取りやがれっ!!!」




 咄嗟に出てきたのは、自分勝手に等しい。





強がりも甚だしい言葉だった。




「そんなん、言われるまでもねぇよなぁ?」




 あづが俺を抱いたまま、
悪巧みをしてるような笑みを浮かべて言う。




「「「 はい、総長!」」」



 下っ端達はそれに声を上げて頷き、笑った。






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