泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
どうか嘘であって欲しい真実に。
「はー」
真夜中、0時ちょうど。
第二幹部室。つまりは、屋上の隅に置かれた
ベンチに座って、俺は空を見上げていた。
とても満天の星とは言い難い、ところどころに
まるで照りつけるライトのように輝く星たち。
「……綺麗とはいえないよな」
俺の心も、この星空も。
それでも、俺はきっと、
やっと許されたんだと思う。
そう思っていいのか、不安にならないと
言ったら嘘になるけど。
……よかった。死ぬ前に本気でそう思うことができて。
「あと少し、か」
小さな声で、俺は呟いた。
あと少し。あとほんのたった数カ月で、俺は死んでしまう。
……そうなる前に自分を許せて、本当に良かった。