泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。





「……それは、失礼しました」




 母さんは慌てて、小声でそう言った。





「母さん、それ、事実だから。奈々3年前から入院してたことよくあったけど、見舞い俺ら以外誰も来なかったし」



 俺は気がついたら、めぐをフォローしていた。





 認めたくないが、それはどうしようもない事実だ。




親戚全員、唯一生き残った
奈々のことを全然よく思っていない。




 寧ろ奈々絵は、十中八九嫌われている。



きっと、


なんでお前だけ生き残ったんだって、
そう散々言われてきハズなんだ。





そうでもなきゃ、飛び降り自殺なんて
考えるに至らなかったハズだろ?







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