泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「馬鹿は俺だな……あづ」
自嘲気味にそう言い、俺は片手で髪をぐしゃっと掴んだ。
思えば中学の時から、あづは帰る時になるとやたら淋しそうな顔をしてた。
俺はその顔に中学の最初に気づいてどうしたって聞いたくせに、その後はぐらかすようにあづが言った“何でもない”って言葉を、何の疑いもなく信じてしまったんだ。
そのせいであづは荒れたんだ。
俺がもっと気にかけていれば、平気で金をたかったりする奴にはならなかったはずだ。
あづの目に掛かっている特徴的な青い髪を、
俺は片手で払った。
今度は絶対、そんなことはしないから……。
——お前の涙は、絶対に俺が止めてみせる。