泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「めぐ、お前……」
俺は無意識のうちに、純恋の頭を撫でるのをやめて、めぐを呼んでいた。
電話をしているめぐに視線を向けて、
その横顔を確認する。
“大丈夫!”
目があっためぐは口パクで
そういい、俺を安心させた。
「めぐ……っ!」
つい、泣きそうにならずには
いられなかった。
嗚呼。
きっと、こいつは気づいていたんだ。
俺が物凄い責任を感じていることに。
みんなで聞きたいといったのはつまり、
奈々がどんな常態でも自分を責めたり
しないで、
ちゃんとその辛みを分合おうってことだ。
全く、めぐには本当にかなわない。
「………さんきゅーな、めぐ」
俺はそう言い、視線を純恋に向けて、
彼女を起こすフリをした。