泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。




 俺はそうやって起こすフリをして、零れ落ちそうな涙をひたすらに堪えた。



「あんたは気にしなくていーの、奈々絵の意思で追いかけたんだから」




 めぐは母さんとの話が終わったのか、携帯を純恋の横に置いてから、俺の頭をフワフワと撫でてきた。




「こんな事になるのは覚悟してた筈だし、
それにあたしも……背中押しちゃったから」





 めぐは床に座り込んだ俺の背中に自分の
背中を密着させ、そう自虐するように言った。




「へ?」


 予想もしなかった言葉に、俺は思わず、素っ頓狂な声を上げた。




「あたしも、実はあづに行って欲しくないって思ってたんだよね」






「……それで、背中押して行かせちゃったの。彼女なんだから、奈々絵の体調一番に考えないとなのに、気持ち優先させちゃった……..。


 笑うでしょ?


 けど、あたし後悔はしてない!
これで良かったと思ってる!」









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