泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。





「おはようございます、空我さん。
 携帯、
ベットに置きっぱなしでしたよ?」






 しまった。




窓を開けてベランダに入り込んできた純恋は、そうさぞ可笑しそうに快活な顔で笑って言い放った。






言わずもがな、手にしていたのは、俺の携帯だった。






「ヤベっ、サンキュ」






 俺はそれを素早く受け取り、何食わぬ顔で部屋に戻って、潤の寝ている布団に近づいた。




まぁ、奴が寝ていたのはベットの
真横なんだが。







「はぁ……」






スヤスヤと寝ている親友を見て
本日、二度目のため息を吐く。




「空我さん?」







「純恋。
 ――絶対に起きる方法、教えてくれ」







< 226 / 284 >

この作品をシェア

pagetop