泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「……ごめん、心配かけて」
「ううん、いいの。
あん時の奈々、凄いかっこよかったし」
めぐは、笑ってそう言った。
——ゴホン!
「赤羽くん、恵美さん、空我。
それに、皆々様方、宜しいですか?」
母さんが咳払いを一つして、
俺の顔を見た。
「はい、大丈夫です」
めぐはその声を聞いてすぐに奈々から
離れるも、手は恋人繋ぎをしたまま。
その準備とは、今から話すことを受け入れる準備が出来てるかということで。
怖くないと言ったら嘘になるけど……。
俺達はそんな想いを押し殺して、母さんに頷いた。
「では、アビラン先生。
お願いします」