泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「はい」
「とっ、父さん……?」
しかし直後、母さんに呼ばれ立ち上がった
専門医を見て、俺は固まった。
そこにいたのは、俺の……実の父親?
自分にそっくりな雨水のように
透き通った色をした青い髪。
変わらない、170すぎの身長。
釣り上がった、何処か柄の悪い瞳。
見た目全部、信じられないほど自分に
ソックリで。
頭ん中で葛藤する。
——こいつが父親でないなら、一体何なんだと。
けれど今更出て来て、それを俺は易々と認めるのかと。
「あぁ。私は、アビラン・フィリア=セント。
赤羽くんの専門医をしている。
そして、空我、私はお前の父親でもある。
16年前、母さんは俺と不倫をしてお前を生んだんだ」