泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
『なんでもいいから、壊れろよっ!!』
地元の路地裏に着くと、俺はありったけの声で叫んだ。
……会って話をしようと思った。ほったらかしにされた理由も、今までどうしてたのかも、ちゃんと聞くつもりだった。でも、無理だった。聞く気に、なれなかった。
会ってすぐに謝ったりとかしないで、ただ挨拶をするだけなんて。その時点で、期待するのが怖くなってしまった。
「あ?
こいつ、虹欄の総長じゃね?」
路地裏にたむろしていた不良のヤツらが、絶望の縁にいる俺を見て呟く。
「ハハ、だったら悪いかよ」
俺の名、もう知れ渡ってるのか。
——実に都合が良い。
「あ?なんだその言い草は?
頭だからって調子乗ってんじゃねぇぞ」
男達は次々と立ち上がり、俺を取り囲んできた。
さて、久しぶりに始めようか。
――たとえ、
自分の命を引き換えにしてでも。