泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
——黙れ。
“どうせ今も何処かで、親友や両親。あるいは彼女が助けに来るのを望んでいるんだろう?”
八つ当たりでもするように誰かを殴って
いた腕が、不意に動きを止めた。
その隙を着いて足を蹴られ、
道路に倒れそうになった俺の髪を、
そいつは引っ張る。
“今更気づくなんて、お前は相当の馬鹿だな”
「やめろ……」
グイッなんて音がして
倒れそうな体を無理矢理
立ち上がらせられて、気づいた。