泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「おい、何ボケっとしてんだよ。
余裕ぶっこいてんじゃねぇぞ」
自分が、悪魔のいったことに
図星だったことに。
消えろよ……。
幻聴なんて聞こえてくんじゃねぇ……。
“全く、ダサいにも程があるな。
——いい加減、懲りたらどうだ。
自分に仲間など一人もいないと、
そう認めたらいい”
「うるせぇーんだよっ!!」
俺は髪を掴んだそいつの腹を殴った。
するとそいつは流石に予想してなかったのか、俺の髪から手が離れると同時に、遥か奥にあったドラム缶のところまで吹っ飛んだ。
「いって…………」
マジか。
相当痛かったからまさかとは思ったが、
頭部の左側に手を当てると髪がごっそりと
抜けているような厭な感触がした。
あーもう、つけ毛なんて持ってねぇし、それを
買う金すらないのにどうしたもんかなこれ。
控え目に言って酷い。
まぁ、別にいいか。
さっさと死んで、この世界から
消えればいいだけのことか。