泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「純恋、本気?」
「待ってくれ、俺が行く」
俺の声とめぐの声が被った。
「お前ら、今本当に行く気か。
下手したら殺されっぞ」
奈々は冷徹にいい、俺を睨みつけた。
「潤さん……」
純恋が俺を見つめてくる。
「純恋、待っててくれないか。
あいつは、10年俺といたんだ。
あいつを救うのは、俺がいい。この10年、無駄じゃない筈なんだ。あいつはいつも親から愛を貰いたくて、夜な夜な泣いていたんだ。その涙は、親友の癖に結局止めらんなかったけど……。
たとえそれでも、俺は誓ったんだ。
お前のことは、絶対に俺が救うって。
そう約束したんだよ」
純恋、ごめん。
「………たとえ、この命を犠牲にしてでもな」
俺は、自嘲気味に言い放った。
これだけは、やっぱり譲れない。
——なぁ、いいだろ?
空我、愛してるよ。
今からやること全部、
俺の最初で最後のワガママだ。
「純恋……」
“どうか、恵美を頼むよ”