泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
なぁ、あづ。いつからか思った。
——お前を楽園に連れてってやりたいって。
お前を永遠に笑わせてやりたいって。
どうやら、やっと叶いそうだ。
「おし。潤、まずは、そうだな。飛鳥街の裏通りにいけ」
奈々は携帯を弄っているめぐと話すのを辞め、俺を見据えた。
「たぶん、そこがこれからあづがいく場所だ。仕方がないから俺も一仕事してやる。あいつがこれから行く場所、全部自力で調べてやるよ」
奈々はめぐが持ってきたバックから取り出したらしいノートパソコンを操作して、
意地悪そうに笑った。
命知らずのバカと、頭が働きすぎる
大馬鹿もんが行う人生最大の賭け事。
勝利条件は、あいつを救うこと。
「潤、副総長命令だ。
――死ぬなよ」