泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
副総長がほんの少しだけ下の地位の副総長に向かって、訳解らない言葉を言い放った。
もう一人の親友が目覚めて最初にされたのが、権限命令か。
…………ごめん。
たぶん、遂行できない。
許してくれな、奈々絵。
「待って下さい。
やっぱり、私にも行かせてください。
空我さんは私の彼氏ですから」
純恋が突如、そう声を上げて反抗した。
ずっと、言うべきか悩んでいたんだろう。
《え、総長が消えた?
虹欄を招集して探すんですか?》
この声、桜桃?
直後、機械音に混じって、下っ端達の声が聞こえた。
まさかと思って奈々のPCを覗くと、
そこにはLINEの画面で、通話中と表示がされていた。