泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。



 なんで?






 そんなの決まってるだろ。



 俺は一切の迷いもなく答える。





「俺が、あいつの親友だからだよ。
 俺は馬鹿だ。
 10年一緒にいて、
あいつにろくなこともできなかった。




 きっと、これは報いなんだ。



 俺にあいつは助けられない。そんなの自分が一番よく知っている。だったらせめて、命賭けるくらいしたら、助けることができても。



 なぁ、10年越しの奇跡が今起きたって、
別にいいだろ?」





 俺は笑い、桜桃の頭を撫でた。






「潤さんが死ぬくらいなら、奇跡なんて
起きなくていいです!!
私は……んっ!」




 桜桃の唇に自分の口を強引に重ね合わせ、俺はその先を言うのを無理矢理阻止させた。




「ごめん。


 ……俺はお前を、あづの次に愛してた」








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