泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「なぁ、親友なんだろ。だったら、お前が持ってるもの全部俺にくれよ!親ってなんだ。愛ってなんだ!!てめぇは、俺が欲しいもの全部持ってるだろうがぁ!!!」
「う……」
あづは泣きながら、俺の腹を力任せに何度も何度も殴った。
「なぁ、親に心配されるって何なんだよ。
愛してるって、そう言われて来たんだろ。
ちゃんと、沢山怒られて迷惑かけて生きて
きたんだろ。そんなこと、俺には……」
“二度と出来ない”って?
そう言うなら、それは飛んだ勘違いだ。
「あづ、違う。お前にだって出来る。……まだ、やり直せる。母さんは、お前を道具だなんて思っちゃ……」
「思ってんだよっ!! 違う?何がだよっ!!俺の何百倍も愛情もらって育ってきた癖に、知ったように言うなよっ!!!どうせ、俺を心配したのも同情なんだろうがっ!!」
突如、あづが片手で俺の首を握りしめた。
「あ……あ、づ…………」
案外、あっけない最後なのかもしれない。
やり直せるだなんて、
そんなことは、もう二度とないんかな。
なぁ、あづぅ……。