泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。




「アハハ! あづ、帰ろうぜ。
つか、無理矢理帰らせっから」



 青い髪を片手で撫でて、俺は笑って言う。


 髪が抜けている。それに、額や触った頭部にアザがあるのか、かなりゴツゴツしていた。

 俺はこんなふうになるまで、まもれなかったんだな……。


「やだよ。……なんで、あんな地獄みたいなとこに帰らなきゃいけないんだ」

 赤ん坊みたいにすごい勢いで涙を流しながら、あづはいう。


「……あづ。
俺、お前に嘘ついたことあったか?」


 あづの涙を拭って、俺は笑った。


 あぁ。……やっぱ、俺はこいつが好きだな。

 今度こそ守ってやる。幸せにしてやるよ。

「え?」

「いったろ? まだやり直せるって。
お前、案外母親に嫌われてねぇよ?
アビランも、お前に謝りたいって」




 あづの足の動きが止まった。



「めっ、潤の大馬鹿野郎っ!!!


そんなん、ぜってぇ信じねぇ……」




 信じねえって言ってる時点で
期待してるじゃないか。




 全く、
これだからこいつは困るんだ。

 やっぱり、俺が守んなきゃ。救わなきゃダメだなコイツは。


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