泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「……でも、母さん言った。
俺を、生まなければ良かったって。
俺を、出来損ないだって。
俺を、欠陥品だって。
俺を、どっ、道具だって…………」
母親は、近づいてきたあづを、
そっと抱きしめた。
「ええ、分かってるわ。
でも、少なくとも今は、そんなこと微塵も思っていないわ」
「か、かぁさんっ!!」
あづは母親の白衣を力いっぱい引っ張って、涙を流した。
「あなたが生まれた時、天からの贈り物だと思った。こんなに綺麗な子供はこの世にいないと、そう思った。
空我。テッペンを表す、空。
どこまでも空高く、
貴方自身を貫いて生きて欲しい。
何より、
その青い髪と同じ色をした空が誰よりも
似合う男になってほしい。そういう意味よ」