泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
泣き止んだと同時に、空に夕焼けが顔を出して、6人の頬を赤く染めた。
「綺麗よ、空我。よく似合ってるわ」
「うるさいっ!!」
空我は母親にそう言われますます頬を赤く染めて、逃げるように純恋の元へ行った。
「空我、私の話も聞いてほしい。
すまなかったね。帆稀が虐待をしていたことに何年も気づいていなくて。多忙で日本にいなかったとはいえ、私も最低だ。
けれど、私も帆稀と同じように三人で暮らしたいんだ。今度こそ、空我の父親になりたい」
言ってること、母親とほぼ同じじゃねぇか。
今もラブラブだってか。
「もう二人共好きにすれば?
俺、暴走族入ってるし、こんなボロボロだけど」
あづは投げやりにそう言い、純恋の腕を
引いて長谷川病院に向かって歩き出した。
「あぁ」「ええ、もちろんよ!!」
後ろから帰ってきたその声を聞いて、あづが震えていたように見えた。
きっと、今も泣いているか。
あるいは泣く寸前か。
そのどっちかなんだ。よかったよ、
お前の嬉し涙が見れて。
本当に、よかった。
やっと、お前を救うことができて。