泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。



 「まぁーな?」

 奈々は笑いながら、少し横にズレて、ベッドに人が一人座れそうなスペースを作って、そこに俺を手招きした。



 俺は何かと思い、すぐにそこに行って座った。




「潤、お帰り。よく頑張ったな」


 すると奈々はそう言い、笑いながら、俺を勢いよく抱きしめた。


 そう言って奈々が笑った瞬間まで、俺はずっとずっと我慢していたのかもしれない。





 果たして壊れたのか、堪えきれなかっただけなのか、奈々の胸に顔を押し付けて、俺はあづみたいに声を上げて、赤ん坊のように泣き喚いた。






「お、おい、潤っ!?」





 あづが自殺未遂をしたあの日以来泣いてなかった俺がギャアギャアと泣き喚いて、奈々以外放心状態。





 きっとこの日を、俺達は一生涯忘れないだろう。




 いや、この1ヶ月にも満たない時間をだ。




 きっと俺達は、人生をかけて親友を救ったこの時間を、一生涯忘れない。






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