泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。




「総長〜っ!」



 学校を出て、純恋と虹欄のアジトに向かったをアジトに入った途端、桜桃が俺の胸に泣きついてきた。




「引退しないで下さいよ。まだ、いいじゃないっすかァ……」




 続いて、龍弥が俺の制服を引っ張る。



「あんたらあづに懐きすぎー」




 幹部室からドアを開けて出てきためぐは、呆れ気味にそう言い、俺に苦笑いを向けてきた。





「めぐ、卒業おめでとさん。俺の学校、純恋に教えたのお前だろ?」




 俺は近づいてきためぐに勘弁してくれといった雰囲気を装っていい、笑った。




「もち!まぁ、潤にも色々聞いてたみたいだけどねー」


 笑いながら、上機嫌にめぐは言う。


 ——ギィ。



 ちょうどその時、一階のドアが開いて、潤がアジトに入ってきた。



「クク、あづ大変やな」




「いや、笑ってないで助けろ。これじゃあいつまで経っても引退式が始まらねぇ」



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