泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。





「あ!ねぇ、引退式の前にちょうど今日は
79人全員いるわけだし、奈々の墓参り行かない?」




 不意に、めぐが手を叩いてそういい、嬉しそうに笑った。




 やっぱ、まだ好きなんだな。






「「おー、それ良いな。

じゃあ行くか!」」




「あ……」



 その時、めぐが俺達の態度を見て、両手を口の前に持っていて、切なそうな、今にも泣きそうな顔をした。



 本当に久しぶりに、潤と声がかぶった。




  あぁ。そういえば、あいつがいた時は、
こういう事がやたらと頻繁に起きてたな。





 ちょっと、寂しい。





2年前、めぐから学校の話を聞いた時みたいに、あいつと声が被ったりとかすればいいのに。







 …………いや、そんなことはもう無理か。



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