泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「ふんっ」
俺が喚くと、
奈々はすぐに襟から手を離した。
「あー死ぬかと思っ「うるせーよ。
さっさと状況を説明しろ」
俺が占められかけた首を片手で擦りながらボヤいてたら、奈々は俺を睨んで、威圧的に言い放った。
「………はい」
ホント奈々が怖すぎる。
「まーまぁ奈々絵、いいじゃん!
あたしの兄だし……さ?」
突如、めぐが奈々の肩を軽く叩き、
そんなことを言った。
気のせいか、その声は震えている気がした。
俺はめぐに、“ごめん”と奈々絵に気づかれないように、口パクで言った。それに気づいたらしいめぐは、俺にピースサインを返す。
「ハー、まぁイイけど」
奈々はため息を吐いてから俺を見て、しぶしぶと頷く。
た、助かったー!!
俺は奈々の言葉を聞き、
思わずガッツポーズをしたい気分になった。
まぁ流石に本当にしたらまた怒ると思うから、
堪えたけど。
その後俺は2人を家のキッチンルームまで
案内し、状況を説明した。