泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。






 桜の花びらが風で舞って、
俺達の髪や地面に落ちた。





「……恵美さん、泣きたい時は泣いて
いいんすよ?
奈々さんと、卒業したかったんすよね?」





 龍弥は、微かに震えていためぐの
体をそっと抱きしめた。






 奈々、お前の他にも、



恵美を支えようとしてくれる奴は沢山いるよ。



 俺が、お前も含め、虹蘭の奴ら全員に救われたみたいにな……。




 これからその中の一人に、総長を引き継ぐ……。




 たとえ辛くなっても、俺達はまた
泣いて泣いて、辛みを分け合って生きるよ……。





 恵美は、絶対に俺達がずっと笑顔にしといてやるよ。





 だから、どうか、見守っといてくれな……。






 この闇と光が降り混ざった世界で、
俺達はまだまだ生きてってやるからよ……。








~End~


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