泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「全く、帰ったらちゃんと片付けなさいよ?」
俺の後ろを、奈々と肩を組みながらついてきた恵美が言う。
どうやら、奈々にねぇ?とでも確認をしている
らしい。
「わーってるよ。……行くぞ」
俺の声を聞いた奈々は、すかさず家の前に駐車していた自分のバイクにまたがり、その後ろにめぐを乗せた。
どうやら、俺の家まで来るのにわざわざそれに乗ってきたらしい。
もしかすると奈々は、……最初からこうなる
のがわかっていたのかもしれない。
……ホント勘が鋭すぎて困るよ。
俺は小さく苦笑したあと、すぐに自分のバイクに飛び乗り、奈々と同時に、バイクを加速させた。
バカあづ!!
自殺なんてしたら、許さないんだからな。