泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。





「母さんはさ、
……俺のことをどう思ってんの」




 今更、俺は何を聞いてるんだ。


 そんなこと聞いてどうすんだよ。


 ……何言われるかなんて、分かりきってるだろ。



「あんたのことは今も昔も、産まなければ良かったとしか思っていないわ。いい?所詮あんたは、私とあの人を繋ぎとめるための道具に過ぎないのよ。
それ以上でもそれ以下でもないわ」




 あの人っつーのが父親なのは、言われなくても分かった。




 “私とあの人を繋ぎとめるための道具に過ぎないのよ”






 ハハ、道具ね……。






 それってもはやヒトじゃねぇし……。


「だよな。……ごめん、今更分かり切ったこと聞いて」



 強がるみたいに、俺は言った。


 泣きそうなのを、決して悟られないように。


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