泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
流石に父親の転勤期間の丸1週間閉じ込めてたら俺が死ぬから、トイレは最長でも3日が限度だったが、外は3日なんてどころの話ではなかった。
最長で三ヶ月、家に入るのを許されなかった。
怒られるようなことは何もしてないにも関わらず。
その時は父親が海外に三ヶ月だけ転勤をすることになっていて、俺はその間ずっと外に出された。
友達に虐待を受けているなんて当然言えるハズもなくて、いつも帰りが遅いんだと偽って俺はご飯を貰っていた。
しかし、毎日同じ言い訳をしてたら、
流石に友達も俺の家庭の異変に気づく。
それで他の親にこのことがバレでもしたら、
今度こそ俺は母親に殺される。
そうならないためにいつも、死にそうになったら人目がない深夜のゴミ捨て場を漁ったり、水道の水を必死になって飲んだりしてた。
ゴミ捨て場のは、全部不味くて吐いたけど。
そんなふうにろくに栄養があるものも食べて生きてこなかったから、多分今、俺は胃どころか、体全体がほぼ死んでると思う。
でも俺はそれを治せない。
治療なんてできない。あの母親が俺のために金を払うなんてことありえないから。
……ありえないんだ。だってあの母親は、俺を育てようとすらしてくれないのだから。
俺を邪魔者としか思っていないのだから。