泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
案外その言葉は簡単に出てきた。
「そんなの……許しません」
少女は、俺の腕を必死で掴んだまま、言う。
——はぁ?
そもそもお前に許されても許されなくてもどうもしねーし!!
「いいから放せ!お前も死ぬぞ!」
俺は、必死になって叫び返した。
巻き添えなんて、この女も流石に溜まったもんじゃないだろ?
「お断りします!!」
「うわぁ!!」
突如、少女は精一杯の力を振り絞り、空中に投げ出された俺の体を、無理矢理屋上まで引きずり上げた。