泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
愛情の代わりに手にしたもの。
“一緒に死にませんか?”
脳内を、少女のいった言葉が駆け巡る。
——なんだこいつは。
何を言っている?
「………は?」
やっとのことで出てきたのは、ただの疑問符だった。
「一緒に死ぬ?」
「はい。どうせ死ぬなら、一人で死のうと
二人で死のうと変わらないじゃないですか」
俺が聞き返すと、少女はまた軽そうに言った。
「いやいや、俺は今すぐ死にたいんだよ。
お前と一緒にとかないから」
俺は、少女から目を逸らして言う。
なんだか、自殺の勧誘を受けてるみたいだな。
「じゃあ、
今すぐ2人でここから飛び降ります?」
——は?
少女はまた、軽々しくとんでもないことを
言い放った。
「何お前死にたいの?」
「はい。
でも、お兄さんは違いますよね?」