泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。



「お兄さん、愛されてますね」


 少女は、羨ましそうな顔を
俺に向けて言う。



「そんなこと……「てゆーか、この子誰」




 めぐは少女を見下ろしながら、俺の言葉を渡って言う。




「菜畑純恋(ナバタスミレ)です。
初めまして、お兄さん方。それに、お姉さんも」




 少女の言葉を聞き、めぐの顔がほんのり赤く染まったのが分かった。




 こいつ潤と2人兄妹だし、お姉さんとか言われるの何気初めてなのかもなぁ……。



 そんなに嬉しいのか。




「……潤、そろそろ引き上げるぞ。


いい加減泣きやめ」



 直後、奈々が乱暴にそう言う。


 潤は、未だに涙を流していた。その涙は俺の頬に、雨水のように何度も何度も滴り落ちる。




 こいつは……一体どれだけ俺のことを心配してくれたんだろうな。





 ゴメンな、潤。




 やっぱり俺は最低だよ。




「……わっ、わーってるよ!!


引き上げんぞ」




「うわ!」「きゃっ!」




 もう二度目となる空中から床へ引き上げられる
行為が、俺と少女の二人同時に行われた。














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