泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
未来。
3日後。
「いらっしゃいませー」
4人で喫茶店に入ると、まるで俺達が入ってきたのを歓迎するかように、ドアについていた鈴が賑やかに音を立てた。
「——あづ、あの女の情報が分かった」
席に案内されると、奈々はすぐにバックからノートPCを取り出して、平然と言い放った。
「どうやらアメリカ人と日本人のハーフというのは、正真正銘の真実らしい。後、友達がいないっていうのも。
学校は……御簾花葵(ミスラバ)?学園だな。幼稚園から大学まであるエスカレーター式のとこで、あの女は……中等部の3年6組だな」
——みすらば?
なんだその聞いたこともない学校は。
「えー、そこって超お金持ち高じゃん!
社長令嬢のあたしでも、愛里寿薔薇
にしか行けないのにー!!」
めぐは真横にいる奈々のPCの画面をのぞき
込みながら、大声で愚痴を漏らした。
ありすばら?
「いや、愛里寿薔薇で十分だろ」
俺の隣にいた潤が、頬杖をついて
いう。
「「御簾花葵も愛里寿薔薇も、
一体何なんだよ」」
俺と奈々の声が揃った。
ま、奈々は二年アメリカにいたからな。
日本の学校のことはわからなくて当たり前なんだろうな。俺もわかんないけど。