泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。




「……お前らホント仲良いのな」



 呆れながら潤が言う。


「うるさいわ!」

 声を上げて、俺は言った。


「は? 一千万って何だよ。そんなんあったら、俺の傷跡整形でも何でもして消せんじゃん」




 直後、奈々がパソコンをいじるのを辞めて、消え入りそうな声で言った。




「いーよ、いつか払ってあげても。

 でも、奈々があたしと結婚するなら、ね?」


 頬を赤らめて、照れながらめぐはそう言葉を紡いだ。

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