泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「奈々、もしかして、照れてる?」
奈々の言動に、俺達は思わず、無言にならずにはいられなかった。
その時、俺達三人が同時に考えていたたった一つの疑問を、恵美は口にした。
「……わかんね。
ただ、体温上昇して、心臓も、すげぇバクバク言ってる」
「アホか! それを照れてるって言うんだよ!!」
俺は勢いよく叫んだ。
「もー奈々!可愛すぎっ!!」
そう言ってめぐは、奈々の身体を勢い良く抱きしめた。
「はっ、ちょ、恵美っ!?」
奈々の頬は、本当に微かに、紅く染まっていた。
感情表現ができるようになったのも奇跡だと言われたのに、今度はついに照れるか。
ホント、奈々はスゲーよ。
そんな風に俺が少しだけ感動していたのは、どうか秘密にしたいもんだ。