泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「で、——これからあの子、どうすんの?」
めぐが奈々から手を離して、言う。
「ぶっちゃけあづ、あの子のこと気になってるでしょ?」
アイスティーをストローで混ぜながら、めぐは言う。
「は?」
「……気になるって何だよ」
小声で俺は言う。
無意識のうちに、頬が熱を帯びた。
「え、……まさかあづ、恋したことない?」
めぐの顔が、みるみる青ざめていった。
「つーか、恋ってなんだよ。 好きって、何なわけ」
俺はそっぽを向いて、小声で言い放った。
「はああああ?
嘘でしょ!? もー信じらんない!!
勘弁してよ!! あたしらもう高1だよ?」
めぐは、ありえないとでも言いたげに、両手で頭を抱えて叫んだ。