泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「まーめぐ、あづは学校に怜央しか友達がいないくらいだしさ、堪忍してやれよ」
潤が、めぐを優しく宥めた。
「まぁ、それもそうね。
てゆーか奈々、一体いつまで静かにしてるのよ」
「悪い。
恵美の言った話、考えてた」
奈々の頬は、赤みが引いていた。
つまり、結婚の話と。
「奈々、一応言っとくけど、あれ冗談よ?
まぁでも、いつか奈々が本当にプロポーズしてきたら、叶えてあげないこともないわね」
めぐは髪を耳にかけて、照れるように言った。
「……おい、話が脱線してるんだが」
「分かってるわよ。
——あづ!! 説明するわよ。
恋っていうのは……そうね。
ある女のことを異常なほど守りたいと思ったり、救いたいと考えたりすることよ。
あるいは、その女を見たら心臓が煩くなったり、その女の前では普通に振る舞えない状態のことかな?
それを、恋してるっていうの!!」
テーブルを叩いて、めぐはそう高らかに言い放った。