泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「はぁ……」
ため息をついて俯く。
この世には、無理なこととできることがある。
多分、俺が母親に愛されるなんてのは、無理なことだ。
それでも願うのは、……馬鹿なんだろうな。
道具だって言われたし。
「あーっ」
髪の毛を引っ掻き、俺は空を見上げた。
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俺が純恋と死のうとしてから、2週間がすぎた。
あの日以来、俺達5人は、潤の家で日々を過ごしている。
俺はまだ奴らに虐待のことを話せていない。
あいつらが俺の体中にできた痣や切り傷を見て色々察してる所もあるとは思うけど、俺はそれでも、まだ話す気になれない。