泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。




「……俺さ、父親と血ぃ繋がってない」



 潤の家の近くの公園のブランコに並んで跨ってから、俺はそう口を開く。





 目の前には大きな滑り台があって、こういう所に1度でも来れてたらよかったなと思った。





 滑り台の遊び方も、ブランコの漕ぎ方も知らない。




 潤の目の前に広がるジャングルジムの
登り方も知らない。






 何も、知らない。






 欠落してる、何もかも。



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