泣き跡に一輪の花Ⅰ~Love or Friends~。
「……そろそろ帰るか」
「うん……」
潤に言われ、涙を拭いながら、俺は小さな声で頷いた。
「あ! やっぱりここにいましたね!!」
直後、公園に甲高い可愛らしい声が響き渡った。
その声を出したのは、なんと純恋だった。
俺たちを探しに来たのか?
「もー急にいなくなるからビックリしましたよ?
潤さん!それに、あづさんもいますよね?」
純恋は右手の拳を口の前に持ってきて、クスクスと笑いながら言った。
どうやらブランコに座っている俺は、純恋の視界からあまりよく見えないらしい。
少しだけ背伸びをして、俺を探すような動きを純恋はした。
それにしても……こういう何気ない仕草とか、本当に女子だと思う。
めぐとは全然違う。
なんて、そんなこと本人には口が裂けても言えないけど。