友 ~雲外に蒼天あり~
コウが、壬生寺に来なくなった


僕は、コウに会いたくてもどこにいるのか
検討もつかないんだ



「総司いいかい?」



頷くと、山南さんが僕の隣に座る



「私も賛成したんだ…すまなかった」



「コウならきっと
当然の事だ とか言いますよ
きっと、忙しいんですよ
ほら仕事って、夜でしょうから!」



また会いに来てくれる




僕は、そう思ってる







「甘味屋にでも行くかい?御馳走しよう」


「はい!」



遠慮もせず

山南さんと甘味屋へ




「いらっしゃぁーい…ませ」





いつもの御武家の娘さん姿ではなく

町娘姿に前掛けをしたコウでした



「コ 「こんにちは!どうぞお席へ!!」 」


名前を呼ぼうとしたら
上手く被せられた


あー

仕事中なのかな




「サチ!のろのろすんな!!」


「へぇ!すんまへん!」



京の言葉…




「総司…今、サチだから!」

「はい!仕事中ですね!」

「他言するな!お前もな!」



山南さんにお前って…



「クスクス こんな偶然あるんですね!」



山南さんは、総司にお詫びができたと
にこにこしている


僕は



初めて見る


ちゃきちゃきしたコウに驚いている



愛想笑いをして注文をとってるんだから




「総司 奥の左側の男、わかるか?」


「誰?」


「わからないならいい」




ぷいっと行ってしまった



……誰だろう




山南さんもわからないと言っていた



















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