友 ~雲外に蒼天あり~
奥の男らが外に出た


「総司 外で待ってて」


「はい」



店を出ると


「総司 私は、先に帰ってるよ」


山南さんが言った


「一緒に帰りましょう!」


「いや…おコウちゃんが嫌がるよ」


「別にいいけど」



!!!!!



いつの間にか後ろにいた



「ほら 荷物は、2人で手分けした方が楽だ」



風呂敷に包まれたお団子が
ずしりと重い



「サチ!先に行くぞ!」

「ん」



店で働いていた男性が

コウをサチと呼んだ




「幸せのコウですか?」


「人がつく倖」


「人を幸せにする倖ですね」


「幸せには、しないけどな」



山南さんと会話をし




「仕事中なんで」




店を閉めはじめた


「おコウちゃんは、やめてくれ
倖でいい」



チラリと僕を見て



「がっかりされると嫌だから
はっきり言うけど
私、味方ってワケでもないから」




倖が、僕らに背を向けた



「あ!コレどうするの?」


「やる」




山南さんと屯所への帰り道



「裏を返せば
敵でもないっということですね」










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